Amazonマーケットプレイス保証の事実。

ルカスです。

 

 

今日は「Amazonマーケットプレイス保証」という制度についてです。

 

まずAmazonマーケットプレイス保証制度とは何なのか?ということですが、

 

Amazon.co.jp では、購入者の方がAmazonマーケットプレイスの出品者から商品を安心して購入していただくために、保証プログラムを用意しています。Amazonマーケットプレイス保証は、購入された商品のコンディションや配送を保証するものです。

 

よくわかるようなわからないような・・・

簡単に言うと

 

「自己発送の出品者とトラブルになった時よほどのことがない限り全額返金する」

 

という制度です。

 

FBAはAmazonが返金しまくるでトラブルになりようがありませんが、

自己発送は返金金額が出品者の裁量に任せられていますので

トラブルになる可能性があるんですね。

 

 

念のため自己発送の返金規約です。

 

購入者都合による返品

商品の説明をきちんと行い、すぐに配送し、連絡も取っていたとしても、購入者の方が商品に 満足されない場合があることを留意してください。購入者が返品リクエストを送信したとき、商品到着から30日以内にその通知が送信されたことが確認できる場合に限り、購入者都合による返品を出品者は了承しなければいけません。出品者に責任のない返品の場合には、出品者から購入者へ商品が送られた際の送料および返品の際に要する送料は購入者の負担となります。商品が返品されましたら、出品者から購入者へ商品が送られた際に要した送料を支払われた代金全額から差し引き、返金手続きをしてください。

出品者から購入者へ商品を出荷する前の購入者都合のキャンセルの場合は、注文管理ページから注文をキャンセルしてください。

 

返品の責任が出品者にある場合:

実際に受け取った商品が出品者の記述と異なっていた場合や、コンディションが説明より明らかに劣っていた場合は、返品を了承しなければいけません。購入者の商品受領後30日以内の返品について購入者と協議・解決し、購入者との協議・解決した時点から7日以内の消印有効にて発送された商品が返品対象となります。

返品の責任が出品者にある場合、出品者は返品の受領前・受領後に関わらず、返品時の送料を購入者に別途支払うことができます。購入者への任意支払の方法について詳しくはこちらをご覧ください。

 

まず自己発送の場合は購入者が

「なぜ返品したいのか?」という返品理由が重要になってきます。

 

そしてその理由が

「出品者と購入者のどちらに非があるのか?」という責任の有無も重要です。

 

 

 

例えば

 

「購入手続きはしたけどやっぱりいらなくなった」

「商品説明文を読んでいなかったため思っていたコンディションと違った」

「そもそも間違って買ってしまった」

 

 

などなど明らかに購入者都合である場合や、

 

 

「説明書もついていると書いてあったのに実際はついていなかった」

「発送後10日も経つのに商品が届かない」

「全く違うものが送られてきた」

 

という出品者に完全に責任がある場合など様々です。

 

 

このようにハッキリしている場合は対応も楽なのですが

(このような場合でも頭のおかしい出品者も購入者もいますが)、

実際にはもっと判断が難しい場合も多々あります。

 

 

例えば中古商品によくある商品説明文として

「使用感」というキーワードが挙げられますが、

「使用感」の程度は人によって感じ方が違います。

 

 

出品者が「使用感あります」と書いていてそれを了承して買ったとしても、

「これは使用感どころか販売してはいけないレベルでは?」と考える人もいます。

 

 

出品者は「使用感あると書いてるんだから文句言うな」と思う人もいるでしょう。

そして購入者は「こんなものを販売するなんて!」と思うでしょう。

 

 

 

こうなったときに話し合いで解決すればいいのですが、

解決しない場合の購入者保護の制度として

「Amazonマーケットプレイス保証」という制度があります。

 

 

そして今回この「Amazonマーケットプレイス保証」を利用されました。

 

 

今回僕が販売したものは僕自身が最近まで使っていた私物だったので、

間違いなく動作するものでした。

 

 

ただ販売後に購入者から「使えない」とのメールがあったので、

返金することにしました。

 

 

本来であればまず商品を返送してもらって

「購入者都合」か「出品者都合」かを確認してからの返金になるのですが、

購入者も「最初は」丁寧な物言いだったので信用して全額返金を提案しました。

 

 

ただ、そういった本来のステップを飛ばして先に返金の約束をしているので、

返送料(約100円)は購入者に負担してもらうことを提案すると態度が一変。

 

 

「なんで俺が負担するんだ」

「お前が負担しろ」

 

 

と本当に一変したので、

じゃあ返送料負担する代わりに本来の返金手順を踏みますがいいですか?と言うと

 

 

「お前のチェック体制は信用出来ない」

「どうせ返金するつもりないだろ」

「Amazonに言うわ」

「ついでに消費者センターにも相談するわ」

 

 

と言われました。

こういう人は「消費者センターに言うぞ!」って脅せば

誰でも言うこと聞くと思ってるようですが、

消費者センターはAmazonよりも販売者のことを考えてくれているので無駄です。

 

 

まぁクレーマーのニオイしかしないので

一応テクニカルサポートに相談兼報告をして指示を仰ぎましたが、

 

 

「出品者の対応に問題はありません」とのこと。(知ってますが)

 

 

それを伝えると

 

 

「こっちはこっちで色々Amazonに言ってるから」

「消費者センターに嘘をついて販売してもいいのか聞くわ」

 

 

と言われました。

この時点でこの購入者から

「マーケットプレイス保証」というキーワードは挙がりませんでしたが、

しつこくAmazonに電話しているようだったので

カスタマーサービスが保証について案内していることは想定していました。

 

 

そして最後の捨て台詞が

 

 

「Amazonマーケットプレイス保証を申請したからAmazonに調査してもらうわ」

 

 

まぁ、別にいいんですけどね。

調査してもらっても。

 

 

こちらはそれを前提に色々動いているし、

こちらが規約違反ではないことは購入者が一番良くわかっているはずですから。

(規約違反ならカスタマーサービスに泣きつかれたた時点でこちらの負けなので)

 

 

するとすぐにAmazonマーケットプレイス保証が申請された旨の連絡が。

これまでの経緯を説明し、返品も返金も受けると伝えていることも話しました。

もちろん返送料を出品者が負担する義務がないことも再度伝えました。

 

 

その結果マーケットプレイス保証は認められ

購入者にはAmazonから全額返金されました。

Amazonマーケットプレイス保証の認証パターンは次のとおりです。

 

 

・購入者が有責の場合:保証の申請自体が却下され、返金されません。

・出品者が有責の場合:全額返金され、金額は出品者のペイメントから引かれる。

・どちらでもない場合:全額返金され、その金額はAmazonが支払います。

 

 

つまり今回の場合は

「どちらも間違っていない場合」に該当したと判断されたということですね。

 

一般的には

「購入者の言い分が認められた=出品者が間違っていた」となりそうですが、

実際には完全に白黒つかない場合はAmazonが返金します。

 

 

これで対応は終わったのでこの購入者に対してはもう何もないのですが、

本当の問題はここからでした。

 

 

 

知っているとは思いますがAmazonマーケットプレイス保証とは、

出品者にとって百害あって一利なしの最悪の制度です。

 

 

その理由は「顧客満足度指数」の注文不良率の数字が下がるということです。

もっと具体的に言うと低評価をもらったときと同様に数字が下がります。

 

 

評価と違うのは他のお客さんへの影響はないことと、

Amazonマーケットプレイス保証の調査結果が

「出品者に非がないものと認められても」スコアが回復しないということです。

 

 

評価はテクニカルサポートかお客さんに消してもらえればスコアは回復しますが、

Amazonマーケットプレイス保証は申請された時点でスコアダウンが確定です。

 

 

 

なぜそうなるのかテクニカルサポートに聞いてみると

 

 

「そもそもAmazonマーケットプレイス保証を申請されるような事態にするな」

 

 

とのことだそうです。

Amazonはマーケットプレイス保証の欠点も把握しているようですが、

いつものとおり「お客様は神様です」の企業ですから対応する気はないですね。

 

 

そしてこれらのことを知っていた僕がなぜ

Amazonマーケットプレイス保証を申請させたのかというと、

「マーケットプレイス保証は1アカウントにつき5回しか申請できない」という

ルールがあったからです。

 

 

つまりこれらのクレーマーをAmazonから追い出すためには

あえてマーケットプレイス保証申請をさせて、

申請できる回数を減らせばマーケットプレイスの出品者にとって

より良い環境になると考えていたからです。

 

 

そして今回その考え方が間違っていたことが判明しました。

マーケットプレイス保証の規約に変更があったのです。

 

以前はこのような規約でした。

 

Amazonマーケットプレイスの購入者がAmazonマーケットプレイス保証クレームを申請できるのは、ひとりあたり最大5回までです。

 

 

そして今回発見した規約はこちら。

 

申請の限度回数

  • 回数の制限はありませんが、過去の申請件数を鑑み、申請をお断りする場合もあります。

 

 

 

 

回数制限なくなってるじゃん・・・

もはや自己発送の出品者からはタダで買い物することができるのです。

 

 

自己発送から買ってイチャモンをつけてマーケットプレイス保証を申請するだけ。

誰でもできてとっても簡単に「なんでもタダ」で手に入ります。

 

 

あれだけ過剰に購入者を保護するAmazonがマーケットプレイス申請を断るのは

相当なクレーマーの場合だけです。

 

 

適当にAmazonにバレなさそうな嘘をついて、

しおらしい態度を取っていれば申請なんてザルの如く認められるでしょう。

 

 

そしてさらにショックなのは

「実は以前から回数制限なんてなかった」ということです。

 

 

テクニカルサポートから聞いたのですが以前は保証の申請乱発を避けるため

5回というように回数制限を明記していたが、

実際は5回以上申請できないということはなかったため明記をやめたとのこと。

 

 

前から5回以上申請できたんかい!

そしてやめたら乱発されるんじゃないのかい・・・

と思ったんですが実際にはほとんどの出品者が腑抜けですからね。

 

 

クレームになりそうな場合は

「とにかく金返して謝罪謝罪謝罪!!!」というスタンスでしょう。

 

 

そんな中「お金を返すのはどちらの都合によるものか判断してからになります」

なんてメールする僕は悪質な詐欺師にしか映らないのも無理はありません。

 

 

とにかくこれでAmazonマーケットプレイス保証を申請されることは

出品者にとって完全にデメリットしかないことだと判明しました。

 

 

それどころかAmazonマーケットプレイス保証の真実を知っている購入者なら、

 

 

「金返さないならAmazonマーケットプレイス保証申請するぞ?」

「ついでに低評価もつけるぞ?」

「いいのか?嫌なら金返せよ」

 

 

となりかねません。

 

 

そんな理不尽感MAXのAmazonマーケットプレイス保証ですが、

これに対する僕の対策を書きたいと思います。

 

 

Amazonマーケットプレイス保証に対する考え方には二種類あります。

 

 

まずは申請をさせるのかさせないのか。

これによって対策が大きく変わってきます。

 

 

申請自体をさせたくない場合にやるべきことは、

「とにかく金返して謝罪謝罪謝罪!!」のスタンスです。

 

 

どういう経緯でクレームになったのかなんて関係ありません。

どっちの言い分が真っ当なのかなんて関係ありません。

どちらが常識的に正しいのかも関係ありません。

どちらがAmazonの規約を理解していないのかも関係ありません。

 

 

とにかく謝って謝って謝り倒す!

メールでも「申し訳ございませんでした」以外は使わない覚悟が必要です。

 

 

このパターンを選択した場合のメリットは

Amazonマーケットプレイス保証が申請される前に返金するので、

アカウントへのダメージが少ないことです。

 

 

デメリットはどんな理不尽にも目をつぶる必要があることです。

 

 

 

次に申請されることを覚悟して対応に望むパターンです。

 

この場合にすることは「メールでの文面に気をつける」ということと

「普段から出品規約を順守する」ということです。

 

 

いくら購入者が汚い言葉で罵ってきても絶対にそれに乗っかってはいけません。

こちらはあくまでも

「悪質なクレーマーに悩まされて迷惑している出品者」でいるべきです。

クレーマーは例え10円でも出品者が払わないなら容赦なく罵倒してきます。

 

 

Amazon、消費者センター、警察、裁判。

 

 

これらのキーワードにビビって「何言ってんだ!お前が悪いんだろ!」

なんて相手を罵倒すればAmazonに対する心象も不利になりますからね。

メールは後で全てチェックされますので、下手なことを言えば不利になります。

 

 

次にこれは前提ではありますが「普段から出品規約を順守する」ということです。

いくらクレーマーに絡まれていても

出品者が出品規約を守っていなければAmazonは守ってくれません。

例え他の出品者も規約を守っていなくてもそれは言い訳にはなりません。

 

 

この方法を選ぶメリットは

「論理的な話が通じる相手なら非を認める可能性がある」ことです。

論理的な話が通じる相手ならですけどね。

 

 

デメリットは出品者スコアも下がるし、ほぼ間違いなく低評価もくることです。

つまりアカウントにはダブルパンチです。

 

 

ビジネス的には前者を、人間的には後者を選択したいところですね。

そこまで簡単にいかないから難しいのですが。

 

 

そもそもクレーマーの相手をするのが面倒な人は

さっさと謝ってお金を返しましょう。

 

 

今回の件も僕が「どちらが正しいのか」ということにこだわらずに、

返金しておけば防げたはずですし。

 

 

自分だったらどうやって対応するか?

日頃から考えておくと対応しやすいかもしれませんね。